歩き遍路3巡目 3日目 阿波山川駅~学駅
2012年5月5日(土)
番外霊場・高越寺にお参りするため、始発のJRで、鴨島駅から阿波山川駅へと向かう。 高越寺は、88ヶ所からも別格からも、まぁまぁはずれたところにあるので、初めてのお参り。
鴨島駅で列車を待っていると、逆方向(日和佐方面)の列車に乗ろうとしているお遍路さんを発見。まだ若い方だったが、地元の愛媛で善根宿をやろうと考えていて、日和佐まで一旦歩いたが、鴨の湯へ泊まりたくて、列車で戻ってきたとのことだった。
少し話をしたあと、別れたが、その方が善根宿をやろうと考えていると話されていた地域で、2018年現在、知る人ぞ知る評判のよい善根宿があるという噂をきいた。その地域へ行けたら、ぜひ訪ねていきたいと思うが、一年に1,2回しか歩けず、寄り道三昧の遍路旅、まだ高知をのんびり歩いている身としては、いつになるやらである。
阿波山川駅を降り、高越寺・高越山ふもとにある明王院へ向かう。とても、趣のあるひなびた街並みを抜け、橋をわたり、明王院へ。
お参りをして、トイレをお借りし、高越寺へ登る準備を整える。明王院から、ほんの少し歩くと、第一鳥居が見えた。
ご近所の方に「今から、登るの~?今はこの道から登る人は少ないよ」という言葉に少し怯えつつ、第一鳥居をくぐった。どうやら、この表参道ルートより、ふいご温泉方面から登る道が、メインのルートになっているようだ。
高越寺がある高越山は、標高1,133m。とにかく、登りが延々と続く。せっかく登ったのに、下らせて、また登らせるのか!?という焼山寺もつらいが、普段、まったく山登りをしていない身にとっては、こちらのほうが、精神的につらかった。特に、中之郷までは、いつになったらこの登りは終わるのかとフラフラしつつ、せっせと登った。
中之郷は、きれいなツツジが迎えてくれて、少し心にも余裕がでてくる。
左手を見ると、ふいご温泉方面からの登り道が見えた。また覗岩の看板も。修験道の地として有名な高越寺。せっかくここまで来たのだから、行かない手はない。
はいつくばって、のぞき込む。
・・・とても修験道者にはなれそうにない。トボトボと中之郷に戻り、頂上にある高越寺を目指す。
結界門。昔は女人禁制であった高越寺。いまでも、8月18日の十八山会式は女人禁制。
行場を通って、高越寺につくルートもあるようだったが、とりあえず、正規のルートでお寺を目指す。もうすでに、十分、修行気分なのだ。
ようやく、山門が見えてきた。高越寺に到着したが、高越山の頂上は、さらにもう少しだけ登った弘法大師像が立たれている場所。801年、空海28歳のころ、この山で修行したと言われている。
休憩所で、お納経をお願いする。すると、寺男(?)の方から、お菓子をすすめられ、すっかり腰を落ち着けてしまった。しばらくすると、住職さんもいらっしゃった。またまた話がはずみ、気が付けば1時間が過ぎていた。慌てて、奥之院へお参りに向かう。
弘法大師像をさらに奥にすすみ、味の ある鳥居の向こうに奥の院があった。ちなみに、高越寺はお参りに来たというより、つつじを見るため、いらしたという方が多かった。近くのつつじ公園までは、車でも来られるそうだ。
随所に、行場がある。
休憩所に戻り、お別れのご挨拶をと思いつつ、また話し込んでしまった。気が付けば、高越寺で2時間以上過ごしていた。いくら寄り道大好きの私でも、こんなことは初めてだ。11番札所まで向かう予定だったが、納経の5時に間に合わない気がしてきた。
住職さんも寺男の方も、「あなたなら大丈夫!」とおっしゃってくれたが、誰より、自分が一番信用できないのである。でも、まぁいいかと思えてきた。この謎の余裕が、3巡目の良さな気がする。
帰りに、山門を修理していた檀家さんらしき方に「いいこと、ありますよ。必ず。」と力強く、あたたかな言葉をいただき、ニコニコ顔で、山を下る。
また、住職さんや寺男の方にお会いしたいなと思いつつ、下りは、あっという間だった。
ふもとに着き、11番札所を目指したが、案の定、疲れてしまって、思うように歩けない。結局、学駅まで歩き、今回は、ここで区切ることとした。
※その後、2014年12月、たまたまネットニュースで「高越寺」の文字を見かけ、住職さんと寺男の方の、訃報を知った。心よりご冥福をお祈りします。
※時間は、写真の時間からなので、おおよそ。
7:14第一鳥居~8:15中之郷
8:30中之郷~9:42高越寺
11:55高越寺~15:16学駅
19km